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[分岐点]
―――――
(一週間後・浮知夢荘・能武晴の部屋)
その日、能武晴が仕事から帰ると、スマートフォンが鳴った。
能武晴「もしもし…」
山基『昨日の連載会議だけど…
やっぱり、「駄目だった」よ』
能武晴「そうですか…」
まあ、そんな気はしてたが…。
山基『だけど、話はそれで「終わり」じゃなくてね…編集長が言うには、「ゴランド飛翔」の編集長が「ああ言う作風のマンガが描ける若手を探してる」らしい』
ゴランド飛翔は「月2回発行の青年誌」で、「続・新漢塾」や「金牙ファイナル」など、過去に飛翔で連載していたマンガの「続編」が連載される事で有名である。
とは言え、続編だけで雑誌が売れる訳は無く、連載の多くは「それとは関係の無いマンガ」で占められている。
能武晴「…それはつまり、『移籍』って事ですか?」
山基『僕は「悪い話じゃない」と思うよ。
青年誌でなら、今回「ボツ」になったネームで「もう一度連載する事を目指す」のも可能だろうし』
能武晴「………」
前に、「ハクマン」で言っていた。
マンガ家として成功する為の条件は、「才能・努力・運」の3つだと。
…今、その「運」が俺に来てるのか?
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