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「ハル。僕は思うんだよ。ね、こっち向いて。ハルが悪い酔い方するのは、決まって違う種類の酒を混ぜた時だけなんだ」
え? という顔をするハル。
「つまりね。僕はいつも一緒に飲んでたから分かるんだよ。ハルが悪酔いするのにはパターンがあるってこと」
(リオは……『悪酔い』って言ってくれてる……)
その気遣いが心に響いた。
「たまにはハルだって、飲んで気分よく寝るべきだよ。少しのアルコールは体にいいんだ。緊張を解きほぐすしね。だから、僕と飲んでみようよ。ここには僕しかいない。ハルが抱きしめたいミイラもまだ見つかってない」
思わず笑う。確かに。俺なら抱きつきそうだ。
「だから、軽く飲んでみないか? そうじゃないとトラウマで残ってしまうよ」
(こいつは本当にいいやつだな。いい弟だ)
リオの肩に手を置く。
「お前が弟で、弟って分かって良かったよ」
「世界一、兄貴思いの弟だろ?」
また弟という文字に逃げ込むリオ。
「ああ。これならパソコン持ってきてやれば良かったな」
(………今、なんて仰いました?)
「ここで使えんの?」
「らしいぞ。バッテリーの問題があるだろうけど、今の技術ならなんとかなるらしい」
「…………早く言ってよぉーーー」
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