無敵のハル

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近いうちに送ってもらうよ とハルに宥められながら、リオはウィスキーを取り出した。 「ウイスキー…?」 「だって、ビールは無理だよ。街で買ってきてもこの暑さの中であまり置いておけないだろ?」 そう言って瓶ごと渡した。 ハルは渡された瓶を見て固まっている。 「全部飲めって言ってないよ。ちゃんと酔い加減を見ておくからさ。そしたら、このくらいならいいんだって分るだろ? きっと僕の言ってること、当たってるよ」 何がなんでも。そう思って持ってきたウィスキーとジン。 あんなゴチャゴチャが無ければとっくにしていたはずの実験。 シャンパンとワイン。ビールとウィスキー。 一種類ならただ酔うだけだった。それを証明したかった。 本当はあんなことになる前に。 日中と違って砂漠の夜は一気に冷える。 きっと体がカッと熱くなるウィスキーは有り難いだろう。 「な、量じゃなくてさ、先に潰れた方が明日水を買いに行こうよ」 「それが狙いか!」 ハルが笑い出した、ウィスキーの瓶片手に。 「もちろんさ」 リオも笑う。 「やる意味も出てきたろ? ま、僕が勝つんだけどさ」    
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