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「さっき聞きましたよ」
「夜は空いてるだろ?
夕飯御馳走してやるからうちに来なさい」
真鳥は少し笑った
「命令なんですか?」
「いいだろ? 久々に凝ったもの作りたいし。
お前が来るなら作り甲斐がある」
「お友達の女性でも呼んだらいいじゃないですか」
多少の皮肉を込めて真鳥が言うと、友永は過去の何かを思い出したのか眉間に皺を寄せる。
「女は部屋荒らすから家に入れないことにしてんの」
「俺だって散らかしますし汚しますよ」
「そういうレベルじゃないんだよ……」
余程嫌な思い出だったのかと思うほど渋面を作ると、友永は「もうこの話は終わり」と言って話題を変えていく。
友永は自分の女性関係を真鳥には殆ど話さない。真鳥は大体ネットの芸能記事で友永のそういった噂を知る。普段友永から女性の気配を感じることはないが、噂のいくつかは本当のことなのだろう。
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