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「恋愛感情が何で不純なんだよ!
それはお前にとって本物の愛なんだろ!?」
「本物の愛が何なんですか? 本物の愛なら許される感情ですか?
じゃあ端的に聞きますけど、あなたは男の俺に欲情できるんですか!?」
真鳥は殆ど叫ぶように言葉を連ねながら、どこかで冷静に、駄目だなと、思った。ここまで来たら、もう一度友人関係を築くことも出来そうもない。こんな結末を望んでいたわけではなった。稚拙な恋をきちんと諦めるつもりでいたのだ。
恋愛でなくても構わなかった。友永の傍にいられさえすれば良かったのだ。
だが友永は怯まずに口を開いた。
「だったらお前が俺をその気にさせて見せろよ!」
友永の言い放った一言が、真鳥をその場に釘付けにした。
「ストレートの俺が男のお前を抱けないっていうんなら和巳、お前のそのご立派な演技力で俺を誘惑して見せろよ!!」
真鳥は瞠目する。
――あんたなら彼を誘惑するくらい簡単でしょ?
そうだ、そんなのは簡単なことだ。ここにはフィクションのルールという縛りさえない。
だからやらなかった。
「出来るわけ……無いでしょう」
真鳥の声が震える。
麦子と同じやり方で人の気持ちを弄びたくなかった。
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