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「何が言いたいんだよ」
「まぁ、
あれや。
目に見えることだけが生き甲斐とは限らんのとちゃう?」
「え?」
「何かを一生守り抜くってのも男の選択としてはアリやと俺は思うけど?」
「矢代」
すっと立ち上がった大男の影で、
今まで日に当たっていた顔が一瞬涼しく感じる。
見上げた先は逆光のせいで黒い人型にしか見えなかった。
向こうには俺の顔がしっかり見えるだろうに。
「ほな、
俺行くわ。
暇なら俺の表彰式まで見てったって。
台に登るの一番後やから少々待たせるかもしれんけどな」
「…バカ。
まだ決勝も始まってないのに……」
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