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(そう……信じたいよ)
思い出だけに縋って生きているような今の自分が頼りなく、
確かに信じられる何かを欲してしまう。
(俺もう……壊れそうだよ…長谷川さん………)
すっかり落ち込んだ心をなだめながら駅からの道を歩く。
タイミング良く交差点の信号が変わり、
横断歩道へ踏み出した瞬間、
ケータイのベルが鳴った。
(誰だ…? 朝から)
「…はい。
渡辺です」
同じく信号待ちをしていた周りの人たちの視線を感じ、
着信の確認もせず通話ボタンを押して出たため相手がわからず、
無愛想な声になってしまった。
『貴弘?』
(!)
「はっ……っ」
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