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「ホント……に?」
『うん。
秋には…10月のなかばには戻れるから。
ソッチの大学の文化展に合わせて帰るよ。
もうすぐコッチの大学で発表展示する作品を持っていくことになるから』
「出来たんだ?」
『ああ。
俺の渾身の一投って感じ』
「……そっか」
『…ゴメンな。
…貴弘』
変わらない彼の声が嬉しくてまた目が熱くなってくる。
(ああもう……泣かすなよ)
「長谷川さん…会いたい」
『うん。
……俺も、
会いたいよ』
「………」
『………』
数秒の無言の間が互いの気持ちを一番確かに伝えていた。
きっと彼も今、
俺と同じように胸の奥にじんわりと広がる痛みのような熱を感じたに違いない。
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