第1章

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(え?) ガタタン。 と、 たどたどしくドアは閉まり、 今度は中からの圧力でドアに押しつけられる。 ぎっちりと人の入った空間では身じろぎひとつ取ることも出来ず、 ドアの向こうに居るはずの青年の表情(カオ)を見ることも叶わなかった。 (何だ…? 今の――…) 事務的に押し込んでる感じじゃなかった。 いや、 最初はただ押されていただけだったが、 途中から何か質感を確かめるような…まるで手の平で弄られるような…妙な意図が含まれていたように思う。 中学、 高校と俺は陸上部で活躍していた。 中学では短距離が専門だったが、 高校から投擲種目に目覚め、 俺は槍投げをやりたいがために陸上の強い大学へと進学した。
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