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その夜
私はベッドに横になり、ぼんやりと天井を眺めていた。
明日は蒔田くんと補習だなどと考えながら今日起きた事を思い出していた。
蒔田くんに昼休みに声をかけられて。
それから、いつの間にかに日の暮れた空き教室にいて手に握られたラブレター。
そして、死神を名乗る男装少女。
ラブレターの内容は……。
『蒔田くんは何時も私の憧れでした、最近は話す機会も増えて、どうしょうもなく、好きになりました。こんな私で良ければ付き合って下さい』
この独特の字体は私が書いた物だけどもちろん、書いた記憶は無い。
私はふと自分の机に目をやると犬の写真が置いてある。
一年前に死んだペットのタロだ。
何で?こんな物、飾ってあるのだろうか。と、不思議になり片づけようとする。
私は男装少女の言っていた、『感情』と言う言葉を思い出すがタロの写真を片づける事と関係がある様な気がしたが深い自覚は無かった。
私は片づけ終わると涙が自然に出てきた。
ただ、大切な何かを失くした事だけが心を支配していた。
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