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私は沢山の人から沢山の贈り物を貰ってきた。
それは全て大きな愛に満ちていた。
幼く愚かだった私は、それに気づかずにずっと生きてきた。
ねぇ、寧々ちゃん。
世界がこんなに美しいなんて、知らなかったよ。
寧々ちゃんが見せたかったのは、きっとこの世界なんだよね。
もっともっと寧々ちゃんと生きたかった。
この目であなたの笑顔を見たかった。
お父さんもお母さんも、ばっちゃんもじっちゃんも。
皆の笑顔が見たかったよ。
私は少しでもあなた達を幸せにできたのかな。
何も知らずにただ守られてばかりだった私でも、ほんのちょっとでも温かい気持ちにする事が出来ていたのかな。
普通ではない最期を迎えてしまった私の大切な人達。私を守るために生命を散らしてしまった片桐のおば様も。
今の私を見てどう思っているのかな。
昔の私ならきっと自分が幸せになる事を許せずにいた。
だけど気のせいじゃないよね?
今、皆が「良かったね」って微笑んでくれてる気がします。
「しぃ?」
「ふふっ。ヤマトさん、お墓参りもお願いしますね」
「もちろん」
どんなにこれから道に迷ったとしても、私はここに辿り着ける。
私の居場所はここだって、愛しい人が教えてくれるから。
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