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リディオ・アルボーニ1・夜伽の君は極上の花
男性専用ホストクラブ『奇宝館』
そこは現世とは一種違った空間で、一夜を楽しむ為の場所。
新年の華やぎがある館内を、一人の男性が周囲を見回しながら感嘆の口笛を吹く。
シャンデリアの華やぎ、赤い絨毯。活けられた花は新年の祝いらしく松や千両が使われた華やかなものだった。
「それほどお珍しいものではございませんでしょ?」
不意に声がして、リディアは視線を向けた。
そこには胡散臭い作り物のような人物が立っていた。あまりに整った東洋人顔の人物は、丁寧に腰を折ってお辞儀をした。
「初めまして、当館のオーナーをしております、藤宮と申します。ご予約のリディオ様でございますね?」
「あぁ」
マニュアル通りとも言える丁寧さに、リディオは笑みを浮かべる。そのまま藤宮の前までくると、軽く整った黒髪に触れた。
正確には、触れる直前だった。リディオの指が藤宮に触れるその寸前、藤宮が動きリディオの手を上から手を添えて押さえる。そしてニッコリと綺麗な笑みを浮かべた。
「なんだよ、触れるくらいいいじゃねえかよ」
「困りますよ、お客様。私はホストではございませんので」
「こんな場所でオーナーしてて、身持ちは堅いってわけかい?」
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