リディオ・アルボーニ1・夜伽の君は極上の花

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 和紙の照明器具と、火鉢も置いてある。  その入口の所で、一人の青年が丁寧に三つ指を立ててリディオを迎えていた。  流れるような黒髪を金と銀の簪で結い留めた青年は、正月らしい艶やかな赤と白の着物を着ている。帯も女性物で、金と銀が美しかった。 「お待ちしておりました、リディオ様。日野坂雅と申します。どうぞ、雅とお呼びください」  腰の低い彼はゆっくりと顔を上げる。その顔立ちは美しく、同時に儚げだ。  目尻の下がった黒い瞳に、色の白いほっそりとした輪郭。柔らかそうな唇が、綺麗な笑みを浮かべる。 「まずは靴を脱いでこちらへお越しください。慣れない事とは思いますが」 「いや、そうでもない」  リディオは靴を脱いできっちりと揃えて上がり込む。衝立の奥は簡単な座卓があり、その奥には布団が敷いてある。 「いかがわしい事ありきってかんじだな」  薄暗い照明が余計にそれを誘っている。室内を見回しながら口にするリディオに、雅はくすくすと笑った。 「そう望まれる方のお相手を致しますのが、私の勤めでございますので」 「ご苦労なこった」 「そうでもございませんよ」  着物の裾を綺麗に捌きながら、雅は座卓にお猪口を二つ、お銚子を数本置く。そこには小鉢の料理も置かれていた。     
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