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黒い濡れた瞳はより濡れて、男の欲望を一層煽り立てているようだ。
ゆっくりと歩み寄ったリディオを見る雅の瞳は、まるで縋るように切なげだ。
ほっそりと形のよい指がリディオの鍛えられた胸に触れる。そのまま求めるように体を寄せた彼の細い顎を捕らえ、リディオは満足に深くキスをした。
「んっ……」
雅の長い睫毛が切なげに震え、閉じた瞳の端には控えめな涙が浮かんでいる。
舌で暴くように口腔をなぞれば、ひくりひくりと体は震えた。柔らかな舌を絡めて吸い上げれば、鼻にかかった切ない声が上がる。ほっそりと、だが引き締まった腰を抱き寄せれば、身を任せてくる。
「従順なんだな」
「そんな事は…」
「美徳だって言ってるんだよ、雅ちゃん」
「はぁ……」
厚いリディオの唇が首筋を吸い上げる。白い肌にはくっきりと赤い痕が残る。柔肌に花が咲き、彩りとなる。
「このまま、風呂入ろうぜ」
「このまま?」
「着衣プレイってやつだ」
目を丸くしたままの雅の腕を引き、リディオは檜の広い浴槽へと足を踏み入れた。
浴槽は深さはそうない。膝丈くらいのものだ。縁はベンチのようになっていて、腰掛ける事ができる。
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