夜の密会

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 脱力しつつ、胸の奥に沸く怒りの熱さに打ち震える。なんて恥をさらしているんだ、あの人は! 「ファウストがお前を気に入っているのは間違いないだろ」 「クラウル様まで!」 「明らかに今までとお前は違う。そこは誰の目から見ても明白なんだ、認めろ」  とは言われても、そう簡単な事ではないし疑わしい。確かに他より少し親しいだろう。だがそれは、微妙にずれている。  多分、手のかかる弟が増えた感じじゃないだろうかと思うのだ。昔から言うだろ「できの悪い子ほど可愛い」と。 「部下として大変に目を掛けていただいております」 「そうなのかい? ふふっ、そういうことにしておくよ」  実に楽しそうに笑う人は、きっと信じていないだろう。 「実際に会ってみて良かった。皆の話によく上がるランバートに興味があったんだ」 「俺の名がよく上がるのですか?」 「それはね。シウスやオスカルばかりではなく、こいつの口からも上がるんだ。興味がわくだろ?」  何を言われているかが気になる。隣にいるクラウルを見るが、そっぽを向かれた。 「悪い事じゃないよ。仕事が出来て優秀だとか、とても強いとか」 「身に余る光栄です。多少、過大評価かと思います」 「後はとにかく、ファウストが気に入っているとね」 「それはオスカル様からでしょうか?」     
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