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目覚めと同時に私は深いため息をついた。
背中には、いつも通り誠の温もりがある。
夢の中で、私は大輝に激しく求められていた。まだ、少しはやい鼓動と、足の付け根に残る違和感。再び、目を閉じてみたが、近くにあったはずの大輝の顔もおぼろげで、私に触れていた大きな手の感触も、蘇りはしなかった。
私は、もう一度ため息をつく。
枕元に置いてある体温計に手を伸ばした。
誠と結婚してから三年になる。年末年始の帰郷で、隣同士に住む互いの両親から孫を催促された。私も誠も一人っ子なので、仕方のないことではある。
液晶に表示された数字を、グラフに記入する。もうすぐ排卵だ。
誠が疲れ切っていなければ、子供を授かることができるかもしれない。
こんな時に、大輝に抱かれる夢をみてしまった。
昨日、誠が仕事に出ている間に、インターネットの映画見放題のサービスで、大輝の出演作を観たせいだ。作中に、大輝が女を激しく求めるシーンがあった。
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