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「昔は余裕がなかったから、綾音の弱いとこ知らないんだよな。昨日は、全然すれてない綾音をたのしむだけで終わったしな」  すべての衣服を剥ぎ取られ、布団の上に寝かされる。  大輝は、部屋のあかりを消した。窓がないから、真っ暗闇になった。 「暗い方が集中できるだろ」  どうだろう。誠とは明るい場所でしたことはない。 「綾音」  耳に息がかかる。もう力が抜けてしまう。大輝の唇が首筋をおりていく。手では髪を撫でられていた。  私の弱いところを探しているのだろう。唇だけではない、髪も鼻先も私をなぞる。体中のどこでも、弱いんじゃないかと思う。  暗闇の中、さらに閉じた瞼が震える。ため息が零れた。  二の腕の内側に触れられた時、思わず逃げてしまった。 「ここはだめか?」  我慢できそうにない。  うつ伏せになるように言われた。  大輝は、私の髪をわけて、うなじに唇をつけた。
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