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 布団に頬を押しつける。シーツから柔軟剤の香りがした。  大輝の息が肩にかかった。 「歯形、つけたくなるな」  軽く歯をあてられる。 「やめて」  大輝はさらに力を加えてきた。腕の付け根を両方押さえつけられていて動けない。肩に痛みとは違う何かを感じでいた。支配され力を奪われるような感覚。 「まだ、バレたら困るから、やめとくけどな」  ひとまず安心した。 「追い出されたら、綾音を開発できなくなる」 「えっ?」  大輝が私の肩甲骨をなめた。不意打ちされて声をあげてしまった。 「背中、感じやすいんだ」  背中は誰からも愛撫されたことはない。  大輝が、わざと音をたてながら、背中のあちこちに唇をつける。私はそのたびに、シーツを握りしめながら体を震わせた。押さえつけられているから、逃げられなかった。 「声、出せばいいのに」  私は、シーツに額をこすりつけながら、頭を横に振った。 「我慢できるうちは、まだまだってことだけどな。そのうち、何も考えられないようにしてやる」
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