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「綾音、泣いてる?」  大輝は私の腰に唇を押し当てたまま言った。続けて熱い息がかかる。 「泣き叫ぶくらいにならないとな」  腰に歯をあてられる。体を捩って逃げようとしても押さえつけられていてどうにもならない。 「激しくされる方が案外好きなんじゃないか?」  大輝は、明らかに感じる場所をさけ、私の体を好きなように扱いながらあらゆるところに指と唇を這わせた。  足の付け根のその奥が、痛いほどに濡れていた。  大輝が二度いかない限り、続いてしまう。早く終わらせて欲しかった。 「大輝もう……」 「もう、何?」  言わせたいのだろうか。  支配欲か何かだろうか。  言葉にしなくても私は抗えもしないのに、なぜそれ以上を望む。逆らって長引かせたくはない。 「お願い、もう……」  続きを、言葉にしたことはない。  昔の大輝は、待ったりしなかった。
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