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 朝食と、お弁当を作るために起きだした。最近、暖かくなってきたので、早起きは苦にならない。せめて、これくらいはきちんとしなければ、私を養ってくれている誠に申し訳が立たない。   誠とは、体の関係を持っても、結婚をしても、どこか兄妹のような感覚が抜けないでいる。  誠は、あまり感情を表にださないので、どう感じているのかはわからない。ただ、愛されているのでなければ、ここまでのことをしてもらえるわけがない。  私は、誠に甘えているのだ。そして、甘えさせてもらうかわりに、できる範囲でお返しをしている。  誠の子供を産めば、随分報いることができるはずだ。しかしそれは、きれい事でしかない。私は、誠に見放されると、生きる術がなくなる。だから、かすがいを手に入れたいのだ。  朝食は和食と決めていた。一汁三菜を守る。お弁当の彩りにもこだわった。  誠の職場は、セキュリティーが厳しく、勤務中は一切外へは出られない。社員食堂はなく、ほとんどの人が、弁当の配送サービスを利用している。誠も、転勤してきたばかりの頃は頼んでいたが、揚げ物が多いとぼやいていたので私が作ることになった。  誠が好きだと言ってくれた卵焼きの味は、実は、大輝の好みだった。
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