第2章

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再びあんパンと牛乳の写真を見た私はふと思い付いた。 窓のサッシにあんパンと牛乳を置き、それを携帯の写真で撮る。 『え、美羽ってば何してんの?』 「えっへっへ~!」 【窓から外を眺めるあんパンと牛乳】 写真に書き足し、SNSへと投稿。 「うん!良い感じ!」 『まじウケるんだけど!』 投稿したあとの写真を見て二人で笑った。 すると、またすぐにグッドがついた。 『はや~!てかこの写真にグッドする人いるんだ!あたしもグッドしとこ~』 佳奈は自分の携帯を開き私のSNSにグッドをつけてくれた。 『てか、この1番にグッドしてくれた人ってベンチのあんパンと牛乳の人じゃん』 「ねっ。なんか最近SNSの投稿によく見にきてくれる人なんだよね。あたしが先にグッド付けたんだけど」 佳奈の話に応えながらさっそくあんパンの封を開け、かじりつく。 「うん!うま~!やっぱりあんパンはこし餡だな!」 頷きながら私はまた山本旺士郎のページに飛んだ。 ……ただグッドつけてくれたから見に行っただけ。 なーんて……誰に言い訳してるんだろ。 私は新たな写真が無いかチェックをした。
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