第3章

4/8
前へ
/33ページ
次へ
またコメントの通知が鳴り、携帯を確認するとその言葉に驚いた。 【そうだね、いつか比べてみよう。大人になったら】 私と同じ事を考えてるのかと思うと胸がギュッと熱くなる。 「あーあ……行ってみたいな、九州」 無駄に地理の教科書を机から出し、日本地図を眺めた。 「……遠すぎ」 『どこが??』 「佳奈!」 『もー…。美羽ってば感情駄々漏れ』 「な、何が!」 佳奈の視線の先には開かれた地理の教科書。 私は慌ててそれを閉じた。 『別に、隠さなくてもいいんじゃん?今時普通だよ、SNSから始まる恋愛なんて』 「……恋愛、なのかも分かんない。ただ気になるの。この人はどんな人なんだろうって」 机に置かれた携帯に目をやる。 何とも言えないこの気持ちになんと言えばいいのか…… 『どうする?』 何に対しての問いかと佳奈に視線を移すと続けてこう言った。 『美羽のちょータイプだったら』 「えっ?」 『全く正反対かもしれないけどね』 ニッと笑う佳奈に二人で笑った。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加