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またコメントの通知が鳴り、携帯を確認するとその言葉に驚いた。
【そうだね、いつか比べてみよう。大人になったら】
私と同じ事を考えてるのかと思うと胸がギュッと熱くなる。
「あーあ……行ってみたいな、九州」
無駄に地理の教科書を机から出し、日本地図を眺めた。
「……遠すぎ」
『どこが??』
「佳奈!」
『もー…。美羽ってば感情駄々漏れ』
「な、何が!」
佳奈の視線の先には開かれた地理の教科書。
私は慌ててそれを閉じた。
『別に、隠さなくてもいいんじゃん?今時普通だよ、SNSから始まる恋愛なんて』
「……恋愛、なのかも分かんない。ただ気になるの。この人はどんな人なんだろうって」
机に置かれた携帯に目をやる。
何とも言えないこの気持ちになんと言えばいいのか……
『どうする?』
何に対しての問いかと佳奈に視線を移すと続けてこう言った。
『美羽のちょータイプだったら』
「えっ?」
『全く正反対かもしれないけどね』
ニッと笑う佳奈に二人で笑った。
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