第1章

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「ふぁ~……」 結局眠りについたのが朝方で、ほとんど眠る事が出来なかった。 会社に着いた私の1日は掃除から始まる。 出版社に勤めて数ヵ月が経ち、やっとこの立ち位置に慣れてきた。 「おはようございます」 『おぉ、芹沢おはよう。これも捨てといて』 放り出されたゴミを拾い上げ袋へ詰める。 まだまだ下っぱだから仕方がない。 ……っていうか、そもそも私はなんで出版社に勤める事を決めたんだっけ。 あぁ、そうか 最近毎日のようにこんな事を考えているから昨日の夢を見たんだな。 きっと、あの時あそこへ行かなかったら私は多分…… 『芹沢ー!』 「あ、はい!」 編集長に呼ばれた私はゴミ袋を持って駆け寄る。 だって編集長に呼ばれるなんてゴミ集め以外、用がないもの。
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