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「…また、あの夢か」
定期的に見る夢。
それは俺がまだ小さかった頃の夢。
「なんだってこんな時に見るんだ……」
別の日にでもしろと思うほどに今は憂鬱だった。
「せめてアイツらが来ない日にでも見せろよ…」
そう言いながら、俺は身近に置いておいたコップを取って水を飲み干した。
「………さて」
気合いを入れ直して窓の外を見る。
満月に照らされても、木に囲まれている場所だけあって少し薄暗い。
ふと窓の下………入口付近に目をやると、武装した二人があっちへ行ったりこっちに来たりとウロウロしていた。
「またかよ」
これで二度目だ。
つい数時間前にも一人来たところだ。
「毎度毎度あきねえな、ホント」
そう文句を垂らしてみるも、現状が変わるわけでもない。
「仕方ない……追っ払うかっ」
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