事務所

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事務所

祐羽は先導する男の後ろを二人の男に挟まれて歩いていた。 きっちりと挟まれていて、時々顔を近くで覗かれたり肩を抱かれたりと戸惑う事ばかりされるので、ビクビクしながら足を進める。 祐羽の表情が益々曇っていくが、その様子も男たちは楽しいようだった。 黙って歩き始めて五分位すると、さっきよりもきらびやかな店舗が立ち並ぶ通りについた。 目にも毒なネオンの洪水。 周囲には、祐羽に縁の無さそうな大人の社交場がピンクのネオンに照らされて客を誘っている。 色気を振り撒く胸を強調した女のパネルがドンと飾られている。 「…っ」 免疫の無い祐羽は、ちょっぴり顔を赤くした。 豊満な白い胸を強調する様に腕を組んで、挑発的な視線でこちらを見ている。 恥ずかしくて、何処に顔を向けていいのか分からない。 あちこちで、勧誘の声が上がっている。
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