※ 恐ろしい時間

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※ 恐ろしい時間

華奢で軽い祐羽はソファの上で無駄にボスンと沈んでしまうと、慌てて起き上がろうとした。 しかし腹筋の無さからか、手足をバタバタと動かすだけで終わってしまった。 無情にも両手は空をきり、足も同じく滑稽な動きを見せるだけで、次には上から押さえ込まれてしまう。 結果、バタバタと手足を動かす事さえ無理になる。 「わぁっ?」 祐羽は驚きに悲鳴に近い声を上げて、目を見張った。 その上から先程、社長と呼ばれた大きな男が下卑た笑みを浮かべながら乗り上げてきた。 ただでさえ沈んでいたソファが、益々沈みこんだ。 すると男は、両腕を祐羽の顔の横へと持ってくる。 「ヒ…ッ」 思わず掠れた声が出てしまう。
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