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「どれでも、お前が良い女に……いくらでも」
そして、王はペリペの肩を蹴るようにして、自らのものを副官の口から抜き取った。
王の精を空の盃に吐き出して、ペリペが問う。
「しかし……王よ。如何にして」
「それを考えるのが、副官の務めではないか、ペリペ。得意であろう? お前は。無理難題を解決するのが」
ふたたび、短く王が嗤う。
「どうとでもすればよい。夫人なり世婦なりの女陰に胎内に。それを注ぎこめば良いだけのこと」
「王よ……」
ペリペの声が震える。
「どうぞお許しを。夫人を御寝所へお連れ下さい、どうか」
「女は抱かぬ」
「女」は……?
抱くのは異形のみとでも?
ペリペの思考は、暴走し始める。
《あれ》以外は抱く気がないと。そう仰せなのか?
ああ、そうなのだ。いつだって、そうではなかったか。
あの異形の代わりに、俺は穿たれ続けているのだ。
そうではないとでも?
「不服なわけはないな、ペリペ。お前はこれが好きだろう? 『される』のも、『する』のも」
意味ありげにこう問われ、ペリペは戸惑いに瞳を揺らして王を見上げた。
王がペリペを見下ろす。
「私が知らぬとでも? お前が、《あれ》にしていたことを?」
ペリペの肩が震える。ごくかすかに。
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