冬至 III 5

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「どれでも、お前が良い女に……いくらでも」  そして、王はペリペの肩を蹴るようにして、自らのものを副官の口から抜き取った。  王の精を空の盃に吐き出して、ペリペが問う。 「しかし……王よ。如何にして」 「それを考えるのが、副官の務めではないか、ペリペ。得意であろう? お前は。無理難題を解決するのが」  ふたたび、短く王が嗤う。 「どうとでもすればよい。夫人なり世婦なりの女陰(ほと)に胎内に。それを注ぎこめば良いだけのこと」 「王よ……」  ペリペの声が震える。 「どうぞお許しを。夫人を御寝所へお連れ下さい、どうか」 「女は抱かぬ」  「女」は……?  抱くのは異形のみとでも?  ペリペの思考は、暴走し始める。  《あれ》以外は抱く気がないと。そう仰せなのか?  ああ、そうなのだ。いつだって、そうではなかったか。  あの異形の代わりに、俺は穿たれ続けているのだ。   そうではないとでも? 「不服なわけはないな、ペリペ。お前はこれが好きだろう? 『される』のも、『する』のも」  意味ありげにこう問われ、ペリペは戸惑いに瞳を揺らして王を見上げた。  王がペリペを見下ろす。 「私が知らぬとでも? お前が、《あれ》にしていたことを?」  ペリペの肩が震える。ごくかすかに。     
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