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冬至 III 7
7
冬至の宵。
王に犯しつくされ、精根尽き果てて。
寝台の傍に立ち尽くしたまま、ペリペは、ただじっと見つめていた。
王が妹姫を抱きすくめ、倒れこむように床へと横たわるのを。
どうしたことか異形は、その声を取り戻していた。
そして、魔法使いだの奇跡だのと、ただただ世迷いごとを口にし続ける。
そんな妹の髪にやさしく口づけを落としながら、王は目を閉じる。
可愛い妹よ、共に眠ろうと。
異形の姫をそう宥め諭す王の声は、ひどく気怠い色を帯びていた。
だが妹姫は、白い腕を脚を王の身体に絡みつかせ、絶え間なく甘やかに囁き続ける。
王が寝息を立て始めた。
そのくちびるに、瞼に。
刀身のように真っ直ぐな鼻筋に、王妹のくちびるが押し当てられる。
おにいさま、わたしを見て。
どうぞお目をお開け下さい。
繰り返す異形の声は、寄せては返す波音にも似て部屋に響く。
しかし、それもやがて夢のごとく遠のき。
異形の姫もまた、子犬のように王の首筋に鼻先を擦り付けると眠りに落ちた。
どれほどの間、眠るふたりを眺めていただろう。
ただじっと、立ち尽くしていたペリペの身体が、ゆらりと動いた。
ペリペの頑丈な腕が、王の身体から異形の姫を引きはがす。
王妹の身体は、ペリペが前に見た時とは、まるで違う姿をしていた。
細く華奢なままではあったが、腰はなだらかな曲線を描き、両胸にはまるい乳房が揺れていた。
ペリペは王妹の足を押し開く。
何もないはずだったその部分には、秘所を覆い隠すごく淡い茂みがあった。
果てしなく王に犯され続け、弱り果てていたペリペの身体も、いまではもう、力を取り戻しつつあった。
いつしかペリペの男陽にも、ふたたび力がみなぎり始める。
そして、その滾りきった己自身で、ペリペは王妹を貫いた。
見る者は誰もいない。
王は眠っている。
妹姫もまた、眠り続けていた。
太陽は正午近くまで昇らない。
王の言うとおり、夜は終わらない。
ペリペは狂った獣の激しさで、王妹へと腰を打ち付ける。
その完璧な女の身体へと。
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