冬至 III 8

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冬至 III 8

8  ついに、王妹の瞼が開いた。  そして、自らの身体の奥へと押し寄せてくる恐ろしい衝撃に息を飲む。  声が戻ったことを忘れてしまったのか。  陽の昇らぬ朝に、床の上で自分を貫き穿つ男が誰であるかも解らないのか。  王妹はただ、大きく目を見開いたまま、声も立てずにペリペに揺さぶられ続けていた。  否、細い悲鳴が上がったかもしれない。  ペリペには、まるで聞き覚えのない女の声で。  激しく腰を動かし、奥深く、何度も何度も、ペリペは王妹を犯す。  だが、いつになっても絶頂はペリペを訪わない。  宙づりのままの焦れるような快楽は、ひたすらペリペを苛立たせた。  ほとから陽物を抜き取ると、ペリペは血まみれのそれを異形の姫の口へと押し入れる。  かつて犯した時に得られた、あの刺激はなかった。  それは、ただの女のちいさな口に過ぎなかった。  出口の見えない中途半端な快感は、苛立ちを通り越して怒りにも似たものへと転じていく。  ペリペは、我を忘れて抽送を続けた。  そのあまりの激しさに、王妹の頭は床へと幾度も強く打ち付けられる。  王との交接で、すでに吐精し尽くしていた身だった。  なかなか絶頂が訪れないのも無理からぬことではあったというのに、そんなことにすら気付かぬまま、ペリペはひたすら腰を振り続ける。  口でも達することができず、ペリペはふたたび、王妹の女陰を犯そうと試みた。  力なく横たわるだけの異形の身体を転がし、うつぶせにする。  背後から一息に、ペリペは王妹を突き立てた。  さらに奥へと押し入れようと、ペリペは王妹の細い脚を持ち上げる。  しかしなぜか今、ペリペには、それがひどく重いものに感じられた。  絶頂はまだ訪れない。  ペリペは、それをいつまでも終わらせることができないでいた。  堪え切れず、怒りと苛立ちがないまぜになった吠え声をひとつ上げる。  すると急に、王妹の内がきつく締まり始めた。  刹那、ペリペの快楽がついに弾ける。  白濁を迸らせ激しく痙攣するペリペを、ほとがさらに締め付けた。 「食いちぎられてしまう」と。  そんな恐怖がペリペの脳裏に、稲妻めいてよぎる。  王の妹姫の尻を蹴り飛ばし、ペリペはやっとのことで自分自身を引き抜いた。  そしてそのまま床へと倒れこみ、ペリペは意識を手放した。
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