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 大騒ぎをして、皆にわたしを探させるだろう。  昼間、さんざ働いた者たちにとって、それはあまりにも気の毒な仕打ちだ。  城の皆には、迷惑はかけたくない。  しなくてもいい大変な思いなど、わたしのせいで、してほしくない。  雨が小降りになる頃には、足の痛みもきっと落ち着くはず。  そうしたら、ひとりで歩いて帰れる。  そんなことを思い巡らせながら、わたしは、ウトウトと目を閉じた。
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