重い足取りで生徒会室まで戻ると、相変わらず竜雅を始めとする奏太信者がソファーで騒いでいた。
「怜央ッ!!おかえりー!!なんだったんだ?」
帰ってきた俺に気付いた奏太が大声で訪ねてきた。
「……家のことだよ。お前ら、仕事しないなら出てけ。ここで騒がれたら迷惑だから」
俺は持っていた資料が彼らに見られないように内側に向け、自分の机に向かった。
俺が通り過ぎた後、竜雅や双子が奏太を連れて生徒会室を出て行った。
「どうした?陸」
俺以外全員出て行ったと思いきや、チャラ男会計こと矢沢陸が1人ドアの前に立っていた。
「本当は何の話だったんですか?理事長」
何かを探るような彼から視線を外す。
「何を疑ってるんだよ。家の事以外で俺が名指しされることなんかないだろ」
山積みになった資料を片付けながら答える。
彼は納得してないような顔で自分の机から書類を持つとドアへと向かった。
「自分の仕事は自分でしますよ。ま、ここにいて欲しくないようなんで自室でやりますけど」
俺が振り返ると資料を持っていない方の手を挙げ去っていった。
何だかんだ仕事はちゃんとやるんだと感心する。
「俺、奏太の事すっごい好きなんです。一般生徒で俺に対してあんな風に接してくれるの奏太くらいだったから。奏太に言われて、今のままじゃダメだって気づいたんです。奏太は気づかせてくれたんです。だから、決めました。俺、実は一途なんですよね。俺、先輩の事、好きです。先輩を俺だけのものにしたい。この気持ちに嘘はつけない。覚えててください」
「………」
突然現れた陸のこれまた突然な告白に驚きで声が出なかった。
「……冗談を」
そう呟いたのは彼がドアを閉め、去っていった後だった。
「冗談……じゃ、ないんだけどな」
ドアの向こうで寂しそうに呟く男がいた事を俺は知らなかった。
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