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ブルルン……、ブルルン……、ブルルン……、ブルルン……。
オレたちの背後から、またマッドジョージの電動ドリルの音が聞こえてきた。
マッドジョージは平岡先輩から離れ、また動き出したんだ。
オレたち、北上学園の生徒を殺すために……。
「祥子、逃げよう。
そしてオレたちは、秘密の階段を見つけ出すんだ」
オレがそう言って、祥子の目を見つめると、祥子は今にも泣き出しそうな顔で小さくうなづいた。
オレは祥子の手を強く握り、複数の遺体が転がる廊下を全力で走り抜けていた。
理不尽なデスゲームに参加させられた怒りとか、友達が殺された悲しみとかを今のオレには感じている余裕はなかった。
オレの願いはただ一つ。
ただ生きたい……。
生きて、この殺戮迷路を抜け出したい。
そのために、オレはどうしても秘密の階段のスイッチを見つけ出さなくてはならない。
生きるために。
未来に希望を繋ぐために。
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