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「ねぇ、宏介。
秘密の階段のスイッチを探しているとたくさんの松戸丈二の写真が見つかるね。
私、その写真を見ていて、松戸丈二がどんな人なのか何となくわかってきたよ」
「祥子が思う松山丈二って、どんな人?」
「ものすごく家族思いで、優しい人。
この殺戮迷路で見つかる松戸丈二の写真は、どれも松戸丈二の家族愛で溢れてるよ」
「オレもそれは感じてた。
まだ人間だった頃の松戸丈二は、あんな残酷なモンスターじゃなかったんだ」
「悪魔に心と体を売ったせいで……」
祥子がそうつぶやいて下を向いた。
「だけど、どうして松戸丈二はあんな残酷な殺戮モンスターにならなくちゃ駄目だったんだろう?
やっぱり理解できないよ……。
私なら人間のままでいたいから……」
北上学園の生徒の悲鳴が、この部屋の近くで響いた。
「マッドジョージがこの部屋の近くにいる……」
オレはそうつぶやいた自分の言葉に恐怖した。
「早く秘密の階段のスイッチを見つけなくちゃ……。
オレたちがマッドジョージに見つかる前に」
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