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「祥子、まだあきらめちゃダメだ。
オレたちはまだ、この部屋で秘密の階段のスイッチを探してない。
あのドアが破られるそのときまで、オレたちは秘密の階段のスイッチを探すんだ」
「でも、そんな奇跡って……」
「大丈夫。
秘密の階段のスイッチはきっと見つかる。
オレたちは、こんなところでは死なないんだ」
狂犬グルーミーがドアに体当たりを続けているうちに、ドアに穴が開き、そこから狂犬グルーミーの顔が見えた。
ヨダレを垂らし、キバをむき出しにしたグルーミーと目が合うと、オレは恐怖を感じて、血の気が引いた。
「祥子、秘密の階段のスイッチを探すぞ。
絶対にこの部屋のどこかに秘密の階段のスイッチがあるって信じよう」
抱き合っていたオレと祥子は離れ、最後の望みをこの部屋にかけた。
もうオレたちに逃げ道はない。
奇跡を信じ、秘密の階段のスイッチを探すだけだ。
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