一秒でも早く!(青木宏介)

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オレがスイッチを押すと、部屋の壁が開いていき、そこから地下四階へと続く秘密の階段が姿を現した。 オレはその奇跡的な状況に歓喜し、興奮気味に祥子に話しかけた。 「祥子、ついに見つけた! 上に行ける秘密の階段を」 「本当だ……。 夢みたい……」 「祥子、急いで上の階に行こう。 オレたちは絶対にこの殺戮迷路を抜け出すんだ」 オレと祥子がよろこびの中、地下四階へと続く階段に向かって走り出したとき、部屋のドアがついに壊され、ドアに押しつけていた机や棚もすべて狂犬グルーミーになぎ倒された。 「宏介、グルーミーが部屋の中に!」 あってはならない事態に、オレは恐怖し血の気が引いた。 オレたちは狂犬グルーミーとわずか数メートルしか離れていない場所を生き延びるために全力で走っていた。
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