52人が本棚に入れています
本棚に追加
「祥子、逃げるぞ!
全力で階段を上るんだ!」
オレと祥子は生きた心地もしないままに、全力で階段を駆け上った。
狂犬グルーミーに襲われたら、生きてはいられないということを、オレたちは本能的に察していた。
そしてオレたちとの願いとは裏腹に、狂犬グルーミーはオレたちを襲うために猛然と走り出した。
狂犬グルーミーの走るスピードは、オレたちよりも断然早い。
オレが後ろを振り返り、猛然と迫ってくる狂犬グルーミーの姿を見たとき、最悪の未来がオレの頭をよぎっていった。
狂犬グルーミーは、オレたちのすぐそばにまで迫っている。
オレと祥子はその悪夢のような事実にどう向き合えば良いかもわからぬまま、ただ必死になって走り続けた。
最初のコメントを投稿しよう!