0人が本棚に入れています
本棚に追加
少女時代
ここは30年前のエマの家。小学生のエマが学校から帰って、外へ遊びに行った。田んぼに雪が積もって、一面の銀世界になっている。エマは、そこへ行って雪遊びをするのだ。疲れたら、雪の上に寝そべった。汗で火照った体を休めるには、それが一番なのだ。1時間遊ぶと日が暮れてくるので家へ戻った。
そんな時はこたつに入り、夕食の支度をする母を脇目に宿題をするのだ。宿題が終わる頃には父が帰ってくる。
父が帰って、服を脱いで体を洗っている間に晩ごはんのメニューをこたつの上に並べた。父の身支度が整うと、晩ごはんを食べるのだ。
腹が一杯になり、母とエマは後片付けをして、父がテレビを見ている。片付けが終わった2人は、一緒にテレビを見た。夜の9時になるとエマは床の中に入った。大人たちは、もう少し夜ドラを見てから寝た。
次の日には、朝食をこたつの上に並べ、みんなでこたつで朝食を食べてから家を出た。また学校から帰ると、近くの田んぼで遊んでは宿題をこたつで済ませて、こたつで晩ごはんを食べて寝るのだ。
正月になると、祖父母の家へ行った。年末年始を祖父母の家にあるこたつで宿題や食事を済ませて新学期が始まる前に家へ戻った。
そうしているうちに春が来て、こたつを片付けて布団はクリーニングに出した。足元が見えるテーブルに代わり、家が広くなった気がしたらどこかで機械音がする。なんだろうとエマは、その方角を向いた。
ここで夢から覚めた。その機械音は、着信を受けたスマホが鳴っているのだ。エマは、スマホを開いてみた。エマにはどうでもいい内容のメールが届いていた。エマはそれを既読無視してまた眠りについた。
同じ夢を見ることはできなかったが、一時でも遠い昔に戻って懐かしさを感じるのであった。
最初のコメントを投稿しよう!