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00 プロローグ
きつね達が住み生活をしている、ある里に長い長い冬が訪れていた。
凍え死にそうな寒さの中綿々と雪は降り積り、里を雪の中に閉ざしていた。
今日は、珍しく雪が降らないで空に太陽が輝いていた。
何処を見ても雪が銀色に輝く世界に突如、空が青白く輝いた。
まるで時の流れに逆らうかのように、神々しく雪と大地を照らし続けた。光の周りだけ時のすすむ速さが遅く感じられた。
さて、どれだけ時間が経っただろうか。その光は音も影もなく何事も無かったかのように、消えさっていった。
残念ながらその光を見た者は居なかった、居たとしても生存しているかは保証できないほど、あきらかに非日常な光景であった。
その青白い光は、近くに落ちていたカメラのフィルムに偶然焼き付いていたのだ、だが不思議なことにそのカメラは壊れていた。
太陽は何事もなかったかのように、ただ輝き雪原を照らしていた。木も驚いていたのであろうか、真っ白な雪の上に枝を二、三本落としていた。
さて、久しぶりに晴れたから雪原に遊びに行こうと思い、里の近くの草原に足を運ぶ一人の狐が居た…。
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