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その夢もその内の一つなんだけれどさ、でもその夢がその後の俺の人生を大きく変えちまったわけよ。
不可思議なものを確かめたい。
俺はガキの頃からそんな衝動を心の中に育んじまったわけよ。
ガキの頃はまだいいさ。せいぜい自転車に乗って隣町まで探検に行って帰ってくるだけだからな。でも大人になって知識や資金力が付いてくるとそうも言ってられなくなる。
大人になった俺は色んな所に首をつっこんだ。
南部のマフィアが公社を買い取ったことを聞けば、そこで現地調査をしたり、アルビノが高価に売買されていると聞けば、買い取った呪術者がそれをどういう風に使うのか見に行ったりした。しまいにゃこんな所で来るかもどうかも分らない酔狂な奴を待ったりしているんだから、まったくもって俺は人生をふざけて過ごしているんだろう。
そんなわけで俺は今、車中泊をしながら星空を見上げて珈琲を楽しんでいる所だったりする。
やっぱ珈琲はガテマラだよ。アラビカなんてお呼びじゃない。
俺はスチール製のマグカップを傾け珈琲を飲もうとした。
その時だ!
突然空が真昼の様に明るくなった。
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