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「そ、そのような事をすれば竹千代様の身が危うくなるのではないでしょうか…」
「いや、お前達を寝返らせるために信秀は竹千代を殺める事は決していたさぬ、まぁ聞け」
動揺する家臣団をなだめると説明を再開する
「よいか…竹千代を取り返すには織田と交渉すればよいのだ」
「我らの交渉に織田は乗って来るでしょうか?」
「竹千代に代わる者を織田に差し出すと言えば必ず乗ってくる」
本多忠高はゴクリと生唾を飲む
「竹千代様に代わるお方とはいったい…」
本多忠高は竹千代に代わる人質を今川家から出してくれるのかと考えた
何故なら松平家には竹千代に代わる者など存在しないからだ
しかし、雪斎は意外な人物を答える
「織田信秀の実子、織田信広」
そう言うとピシッと手持ちの扇子で先ほどの地図に描かれている安祥城を叩く
安祥城は織田信広が入り守りを固めている城だ
「つまり安祥城を攻め落とし織田信広を生け捕って竹千代返還交渉の材料とすればよいのだ」
家臣団は目を丸くし、「なるほど」っと納得する
「流石は雪斎様、これなれば竹千代様を取り戻せます!すぐに安祥城を攻めましょう!!」
オオ!!
雪斎を賞賛する本多忠高に続き家臣団も続く
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