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希望を取り戻した思いの表情で雪斎を見つめる家臣団に雪斎は冷たく言い放つ
「しかし、その前にお前達にはしてもらいたいことがある」
「竹千代様を救えるのであれば何でもいたします!」
「それなれば話が早い、お前達は人質を今川家にさしだせ」
驚く一同
「な…!我らに人質を…」
「当然であろう、これより松平家のために今川家は織田と戦をするのだ。そんな時に我が策を信用できずにお前達が織田に寝返られては本末転倒だ」
「そのような事は決してありませぬ!我らは雪斎様を信用しております!」
「儂がお前達を信用できぬのだ。儂を信用し従うと言うのであれば人質をもってそれを示せ」
雪斎の思わぬ要求に松平家家臣団は動揺するも今川の軍勢を城内に受け入れておきながら今更、今川家に逆らう事など出来ようはずもなく
家臣団は不満を一言も言わず人質を差し出す事を承諾する
ほどなくして雪斎は松平家家臣団から預かった人質達を駿府へと送るとすぐに安祥城攻略に取りかかる
まず、尾張からの援路を遮断するため鳴海、大高方面に軍勢を向かわせ、更に山崎城などの出城を占領して安祥城を孤立させる
その上で松平勢を先鋒として城の北側より攻撃を仕掛けさせた
本多忠高の活躍によって松平勢は三の丸、二の丸を次々に落とし本丸に迫る
しかし、本多忠高は焦っていた
織田に寝返る事を雪斎に疑われている状態で安祥城攻めに手こずっていては信広に内応していてあえて攻め入れてないと思われかねない
そうなってしまえば竹千代を救い出す事など出来るはずもなく、本多忠高は雪斎の疑いを晴らそうと無茶とわかりつつも本丸に猛攻をかける
「者共!恐れるな!!松平家の存亡がかかっておるのだ、我に続けぇえい!!!」
本多忠高の号令に従い精強な三河武士達は本丸に突撃する
だが、それは織田信広にとってはまたとない好機であった
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