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「そちは龍王丸と遊んでいるだけではないか!」
「確かに、お言葉ですが私めにもそのようにお見受けいたします。義元様はただただ、甘やかすだけではございませんか」
二人に思わぬ咎めを受け驚く義元
「な、何を言うか雪斎おぬしとてそうではないか!」
「私めは未だ義元様の御教育が終わっておりませぬ故、不甲斐なくてとてもボンに御教育出来る常態ではありませんからいいのです」
「まったくですぞ雪斎殿、そちを信頼し芳菊丸の教育を任せて居れば、この様な義元になってしまったではないかホッホッホ」
「は、誠に申し訳なく」と、軽く頭を下げる雪斎
尽かさず寿桂尼は数日前に行われた宴の様子を雪斎にチクる
「なんと!私めが戦後処理に汗水を垂らしているときにその様なことを!此度の戦はこの私、雪斎が大将だったのですぞ!その私がいない所で戦勝の宴を開くとは、非道いではないですか!それでは主役のいない舞台を見ているようなものですぞ!この雪斎もたらふく酒を頂きたく思います!」
「いや、雪斎殿…私が言って欲しい事から微妙にズレていますぞ…」
「え…?」とキョトンとする雪斎
スパァン!と、扇子で畳を叩く音が響く
「大名たる者が一戦に勝利しただけで乱れるほど酒を飲むとは何事かと言う所ではありませんか!!なにがたらふく酒を頂きたいですか雪斎!」
アチャー…ってなもんである
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