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Tue.
今朝、彼はかたくななまでに、美百合と目を合わせようとはしなかった。
でもこっそりラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲は気にいってくれたのはわかる。
だってトーストを食べている指先がノリノリだったもの。
テーブルの上のスノードロップもど真ん中だったでしょう?
だてにストーカーのように観察してきたわけじゃない。
あれ?
でも食事を済ませたら、そそくさとカフェを出て行く様子を見せるのは何故かしら?
まさか昨日の約束をなかったことにでもする気?
美百合は慌てて、清算を待っている彼の背後に忍び寄り、
「遊園地に行きたい」
有無を言わさず宣言した。
彼がため息をついた気がするのは、きっと気のせいよね?
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