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「お姫様抱っこ」
それでもどうにも悔しくて、龍一を困らせる目的で言ってみる。
そりゃあ確かに、龍一ばりのいい男にお姫様抱っこされるだなんて、乙女なら誰しも一度は願う夢だし、実際これまでだって、美百合の想像の中では、何度だってされている。
「姫、ここは足場が悪いです」
なんて騎士の姿の龍一が言って、
「失礼します」
とさっそうと美百合を抱き上げるのだ。
その想像の中では、美百合の体重だって羽のように軽くて、抱きあげる騎士龍一の腕には、力なぞ全然いらない。
「大義です」
美百合はそう言って、騎士龍一に可愛らしく微笑むなんてシチュエーション。
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