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「よしっ! 明日のパンツはこれにしよう!」
美百合はとっておきのレースぴらぴらの上下セットの下着を引っ張り出し、
「やっぱり、ここぞという時は勝負下着よね」
ひとりで悦にいっている。
「明日も5時出勤だから、早く寝よ~っと」
とつぶやきながらベッドに潜りこんだのはPM8:00。
今どき小学生でもこんな時間には寝やしない。
「眼の下にクマでも出来たら、あの人の前には立てないもんね」
しかし独りごとを繰り返す美百合の瞼は、あっさりと落ちて行く。
日頃のハードな行動ぶりも影響しているが、叶わぬ相手に恋をして、いつの間にか夢の中で彼と逢うことが美百合の日課となっている。
いつも、バイト先のカフェにモーニングを食べにくる、名前も知らないあの男の人。
明日は生身の彼と逢うのだけれど、勝負前の一夜に、せめていい夢をみよう。
夢の中の美百合は、ちゃんとさっき用意した勝負下着を身につけていた。
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