Tue.

14/18

26人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
「お客様!」 さすがにボーイが慌てて飛んでくる。 龍一のジャケットの中の白いシャツは、赤ワインとトマトソースで焼けていないピザみたいだ。 ボーイにつかまれた右腕を、美百合は力任せに振りほどく。 「触らないで!」 龍一だけじゃなく、全世界に聞かせるつもりで声を出した。 「そうよ、私は誰とでもセックスするアバズレよ。でもあんたとだけは、死んでも絶対しない。女を、欲求不満解消の道具としか思ってない下衆野郎」 恥かしさと悔しさに、後も見ずにホテルから逃げ出した。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加