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美百合を玄関で出迎えたのは、話題の諸悪の根源、尾藤の一人息子、信也だった。
「へえ~、あのオッサンに、こーんな娘がいたなんてねぇ」
信也は、美百合が怖気を感じる視線で、上から下まで舐めるように眺めまわす。
「かわいいじゃん」
ちっともうれしくない。
しかし美百合は逃げ出したくなる足をグッと踏ん張って、信也に対峙した。
「父は、いますか?」
まっすぐ顔をあげて訪れた訳を告げると、信也はさっと右手を伸ばしてきて、美百合の顎をつかまえた。
下から支えて強引に上向かせる。
そのまま、いきなりキスされた。
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