Wed.

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あまりのことに、美百合は目を見開いたまま、呆然とした。 そのうえ遠慮も気持ちもなく、無理やり侵入してくる信也の舌に、耐えがたい嫌悪を感じて、信也の胸を強く押しのける。 しかし信也はその手首を乱暴に握ると、美百合の抵抗を軽々と封じて、己の欲望のままに、続けて美百合を楽しもうとした。 美百合は両腕を封じられ、好き勝手に蹂躙されて、生まれてこの方、こんなバカにされたのも初めてで……。 怒りと恥かしさで、思わずにじむ涙をどうすることも出来ないでいた。 パニックのまま抵抗するすべもなく、せめて自由になる唯一の場所、自身の歯で、汚らわしい信也の舌に噛みついてやった。 さすがの信也もこれには驚いて、美百合の唇を解放する。 「ってー、なんだよこのアマッ」 あげた声の勢いそのままに、美百合の頬を殴りつけた。 吹っ飛ぶように、美百合は地面に転がされた。 「暴れてんじゃねーよ」 美百合の長い髪をつかもうと、手を伸ばしてくる信也に、美百合は、飛びすさるように四足をついたまま逃げた。 「なんだよ、それ。サルみてー」 失礼な信也の言葉に、カッと頬も赤くなる。 だけど逃げた。 いつもなら、一言ふたこと言いかえしてやらなければ気のすまない美百合だが、今回ばかりは好き放題されっぱなしで、その場からとにかく走って逃げ出した。 表現できない恐怖だけが美百合を支配し、ただ逃げることしか考えられなかった。
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