Wed.

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美百合が我にかえったときは、部屋はちょっと信じられない有様だった。 むしょうに可笑しくなって、何故だか美百合はクックッと笑う。 笑っているのに涙が出てきた。 自分の感情なのに、うまくコントロール出来ない。 ふらふらとした足取りで玄関まで歩き、ドアを開けた。 「いつまで、そこでそうしてる気? いい加減にしてよ!」 今度は怒りだ。 「……ごめん」 やっぱりそこにいた龍一は、美百合の剣幕に素直にそう謝った。 美百合が表現したかった感情は怒りのはずなのに、何故だか泣きたくなってきて困る。 自分の心が今どんな回路を組んでいるのか、自分のことなのに、さっぱりわからない。 「入れば?」 混乱したまま龍一を誘った。 この美しい龍一に、あのグチャグチャの部屋を見せつけて、腹の底から軽蔑されてしまいたかった。
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