Wed.

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龍一は布団でぐるぐる巻きの美百合を、そのまま軽々と腕に抱きあげた。 ベッドの上にそっとおろすと、やさしい手つきで布団を剥がしていく。 ついでに着ているパジャマまで! あまりの至近距離で、龍一の美しい目に晒されることが恥かしすぎて、剥ぎとられていく布切れをギュッとつかむと……、 龍一は笑って、美百合と一緒の布団の中に潜りこんできた。 龍一の冷たい手のひらは、 「うひゃうぅ!」 と悲鳴が漏れるほど、美百合の素肌を刺激する。 龍一にも自覚があるのか、後を追うように指先の軌跡を追いかける熱い唇との温度差が、ますます美百合の全身を痺れさせる。 冷やして温めて、冷やして温めて……。 私は『うどん』か? なんてバカなことでも考えていなければ、あっという間に龍一に翻弄されてしまいそうだ。 けれど、龍一のそのやさしいけれど冷たい手のひらは、美百合の身体に刺激をもたらし、 「うひゃうう……」 と美百合の閉じた鍵を開けていく。 やさしいけれど熱い唇は、容赦なく美百合の淫情を引き出し、堪えきれない恥かしい声をいざなった。 「俺とだけは、死んでもやらないんじゃなかった?」 たっぷりと満足している美百合を目の当たりにしてさえ、龍一は耳元に戻ってくるとイジワルくささやく。 本当に、これまで会ったことのないほどの虐めっ子ぶりだ。 だけど上から見下ろしてくる龍一の眼差しは、色っぽくて甘やかで、扇情的で刺激的で……。 そんな風に見つめられると、美百合は息が止まりそうになる。 「あんたなんか、大っ嫌い」 思わず顔をそむけて、やっとのことで絞り出したささやかな抵抗心も、耳にかけられる熱い吐息だけで粉々に砕け散った。 「名前で呼んで」 そんな龍一の誘いは、魔法が始まる呪文だったのだろうか。 「りゅう……いち……」 美百合が吐息まじりにその名を呼ぶと、この愛しい美しい男が、美百合と同じ生き物になった。
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